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【なにわ営業道】ボケは人生の円滑湯

「関西にあって東京にないもの」の1つに「ボケ」の文化があります。東京人の感覚だと、「ボケ=単なるアホなやつ?」と思いがちです。しかし、関西で3年間仕事をしてきた自分に言わせると、「ボケ」というのは、「あえて自分を弱く見せることで、相手を安心させ、気持ちよくする」高等テクニックなのです。関西人は、「ボケ」たほうが、相手との人間関係が円滑に進むことを、長い歴史、文化の中で感覚的に身に着けています。その中でも、よく使われるのが、「嫁ネタ」です。「嫁が怖いので終電で帰らんと。」「嫁に財布握られていて、今月もう飲み代すっからかんですわ」などと、会話によく嫁さんが登場します。ボケるためには、嫁さんは「良妻賢母」ではなく「鬼嫁」でなければいけません。そうすることで、相手は嫌な気をせずに、「それはほんまに大変ですなあ。」と同情し、憐れんでくれます。そんな「ボケ」の文化を知らずに、東京人が大阪に足を踏み入れると大変なことになります。東京人で高学歴、大手企業のサラリーマンは、関西人にとっては、「いけすかない嫌なやつ」なんです。それは関西人の「巨人嫌い」を見ても明らかです。「球界の紳士」とか言って、お高く止まっている巨人が大嫌いなんです。そこには、400年前に関ヶ原で東軍に敗れ、大阪城も焼き討ちされた、そんな複雑な感情も、入り混じっているかと。そんな中、「郷に入れば郷に従え」で、いかに関西人に馴染むかの戦略を、ひそかに練りました。
その時、意識したのは、①自慢はしない ②相手の話を聞きまくり、「おもろいですね!」を連発する。③自分が話す時は、話のオチを考えて話す。常に、自分を「低く、低く」を意識しました。でもこれは、関西人だけでなく、東京でも通じる「人間関係=コミュニケーション」を円滑にするテクニックなんです。もちろん「嫁さん」との関係も「低く、低く!」。

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