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【なにわ営業道】掴みと人間力

関西では、「値引き交渉のキツいお客様」がいらっしゃいました。基本的には、R社の住宅雑誌の広告はお気に入りで、継続的なお取引をいただいています。しかし、そこから追加提案や、新企画をご案内すると、「うちは、ぎょうさん広告使ってるんやから、もっと安くせえや!」と、商談成立は一筋縄ではいきません。「もう、あそこの会社は手に負えません!」半べそをかいているメンバーに引っ張り出され、このお客様とガチ商談へ。ひととおり、長い世間話が終わった後、先方は「どやねん。もっと安くなるんか?」と切り出してきました。 「うちは、儲かってるし、広告費がないわけやない。銀行やメーカー、広告会社の営業マンの対応力を見とるんや!それをみて、付き合うかどうか決めんねん。」とおっしゃいました。そうは言っても、すでに大幅な割引価格で取引しているため、これ以上の安売りは会社に怒られます。そこで、「これ以上の値引きは正直厳しいのですが、チャンスカードをお付けします!」。自分は、とっさの思いつきで言いました。「通常のお値引きにプラスして、特別に、もう1P分サービス掲載をお付けします。お好きなタイミングで、そのチャンスカードを切ってください!」。早い話が、値引きなのですが、料金を下げるよりは、余分に掲載していただいた方が、ダメージは少なくなります。
「チャンスカードか!おもろいやんか。」。先方は、「よしそれで行こうや!」と、一気に商談が成立したのでした。心の中で「よっしゃ!」とガッツポーズをしたのは言うまでもありません。先方にとっては、値引きの幅よりも、「こいつおもろいやっちゃな。」と思ってもらえたのが勝因だと思います。関西での商談では、こんな感じの「ハートとハートのお付き合い」が大事なのです。

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