【なにわ営業道】受けの美学
一流のレスラーには、「受けの美学(人間力)」が求められます。海外から、強そうな外人レスラーの初来日時、その外人を生かすも殺すも、迎え討つ日本人レスラーの力量にかかっています。A猪木が、いきなり大技を出して、相手を倒してしまうと、その外人のキャラや、魅力を全く引き出せません。外人はえてして、悪役の場合が多いわけですが、彼らにひと暴れしてもらわないと、どれくらい強いのかが全くわからず、観客も感情移入が出来ません。相手の力を十分に引き出し、受け止めた上で、最後に自分の必殺技で勝利するのが、一流のレスラーなのです。
その法則は、ウルトラマンや、水戸黄門などの時代劇にも言えます。ウルトラマンがいきなり、怪獣に光線を浴びせたり、水戸黄門が、悪代官に最初から印籠を出すのは、日本社会では、ご法度なのです。なにが言いたいかというと、一流の人には、相手を最初から否定せず、受け止め、相手の持ち味を引き出せる「人間力」が必要なのです。そのようなスキルを「受けの美学」といいます。
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