【なにわ教育道】挫折した英才教育
話は少しさかのぼる。ふたりの娘が生まれたばかりの頃、嫁に激怒された事件があった。会社の仲間とこっそりプロレス観戦に行ったのがばれたのだ。(ふつうは怒られるのは不倫とか浮気だが)
「子育て大変なのに、あなただけ楽しんでずるい」それ以来、プロレスに行くときは、近くに住んでいる嫁のご両親に、娘たちを預かっていただき、なるべく同伴で観戦に行くようになった。そして、2004年頃、エンターテーメント路線の「ハッスル」が大ブームとなり、娘たちへの「英才教育」の機が熟したように思えた。幼稚園の運動会では、自ら「全員ハッスル」を敢行し、テレビでは高校球児までハッスルしていた。家族でハッスルTシャツを揃え、水面下で少しずつプロジェクトを進行させた。同じ頃、「ケロロ軍曹」ブームが巻き起こった。娘たちも、ぬいぐるみを買ったり、敬礼のポーズをしたり、「〇〇でありま~す」などと、すっかり洗脳されていた。それに合わせて「ケロロ軍曹」キャラのレスラーが、ハッスルにも登場した。
「よしっ!みんなでケロロ軍曹を応援しに行こう」家族4人で埼玉スーパーアリーナに観戦に繰り出した。会場は、小さな子供連れの家族で、盛り上がっていた。「親の価値観に合わせて子供を教育する。」ピアノやバイオリン。イチローの野球。卓球の愛ちゃんなど、幼少期に子供の興味、才能を見出すことは大事なことだ。そんな自分の想いも虚しく”ハッスルブーム”はあっという間に終焉を迎えた。その後、ミッション系の学校入ったふたりの娘は、高級エンターテイメント路線の「宝塚」にはまり、以後、プロレスには見向きもしなかった。中学からは「音楽部」という、ミュージカル系の部活を選んだ。ということで、“ケロロ軍曹”が、最初で最後のプロレス観戦となった。寂しかったが、これでよかったのかもしれない。
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