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【なにわ教育道】そして入学式

2007年4月、濃紺な制服に身を包んだれいれいは、「小さなセーラー服」デビューとなった。私も会社を半休し、親子3人で六本木へと向かった。正門で看板をバックにお約束の記念撮影。当時まだSNSはなかった。入学式の式典では、パイプオルガンの生演奏、賛美歌、お祈りなどが厳かに行われた。公立の小学校とは、明らかに「空気感」が違った。上級生の花のアーチで、新1年生が迎えられた。付属の幼稚園30名。お受験50名。合計80名の1年生が2クラスに分かれて入場してきた。改めて感慨深い気持ちになった。親子面接の相手”T部長”のご挨拶は、こどもたちに向けてというより激戦を闘い抜いた両親を祝福するメッセージであった。
「私立小の入学式は親のためのイベントなんだ。」
結婚式の披露宴と同じで、やってみて初めて、大人の事情を理解した。上級生のハンドベルの合奏もあり、和やかな雰囲気の中、式典の幕は閉じられた。そして、場所を移動し、先生方と親子の「懇親会」。会場には、ビスケットとお紅茶が用意されていた。「さすがミッション系。」 地味ではあったが、何から何までお上品な匂いがした。入学式と懇親会で感じたのは、学校側の「過保護」とまでいえる「子供たちへの手厚いフォロー」である。駅から学校までの通学路には、警備員さんが何名も配置されていた。授業も担任に、サブ担任の先生もついて40名のクラスをきめ細かくフォローする。英語の授業も1年生から外人教師がつくようであった。だが、過保護なのは学校側だけではすまされない。「授業参観」は年3回。「懇談会」は年5回。その他「学年別母の会」「親子の歯磨き指導」「講演会」。入学後も、母親が学校に呼び出される機会は多い。さらに、学校でイベントがあるたびに、母親にも作文の提出が求められる。(子供の様子を随時報告)。父親には経済的負担。母親には精神的、時間的負担が求められる。そんな現実を目の当たりにした。                  (つづく)

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