【なにわ人生道】運命のお導き
1年間の海外武者修行から帰国。2700人の男だけの世界で、「自分の高校生活はどうなるのか?」。
不安にさいなまれた。オーストラリアにいる時、中学の親友からの情報で、「部活に入るかどうかで、高校生活はだいぶ変わるよ!」というアドバイスもあった。「どうしよう。やっぱりオレはプロレス研究会かな?」と思っていた。そんな矢先に、悲報が飛び込んできた。「わだや大変だ、プロレス研究会が、日吉祭で流血騒ぎを起こして、なくなっちゃったよ」。親友からそんな手紙を受け取った。どうやら、文化祭でのプロレスの試合中、部員が教室のガラスにつっこんで大流血したらしい。それを聞いた自分は目の前が真っ暗になった。「帰国したら、部活をどうしようか」本気で悩んだ。そんな中、中学で野球部だった友達が「アメリカンフットボール部」に入っていた。「野球よりも練習は合理的で、ぶつかるのは痛いけど楽しいよ。」「野球やラグビーは、走攻守揃ってないと試合にでれないけど、アメフトは、ボールを投げる、とる、ぶつかる、自分の得意なスキルを発揮できるポジションがあるんだよ。」そんな説明もしてくれた。
それよりなにより、アメフト勧誘に使われる最強の殺し文句。「アメフトはモテるぞ!」という一言で、心が揺らいだ。オーストラリアでの、オージーボウルや、ラグビーで、だ円形のボールには馴染みはあった。「たしかにプロレス研究会より、アメフトの方がモテそうだな。」そんなことを考えながら、グランドに向かった。こんな軽い動機で、高校3年、大学4年、社会人5年。人生のうち12年をアメフト生活で過ごすことになった。
※写真は社会人時代の選手年鑑より
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