【なにわ教育道】朝から合コン(朝コン)
「MちゃんとKちゃんのママと一緒に行ってね」
朝の「同伴初出勤」に向けての嫁からの指示であった。途中の泉岳寺の駅で、れいれいのお友達2人とママが、合流してくるとのことだった。Mちゃんママは、嫁の学生時代の先輩で赤い翼の現役CA。Kちゃんママは、「きれいなおねえさん」として活躍中の、某有名女優の1歳上の実のお姉さんであった。いわば、リアル”きれいなおねえさんのおねえさん”だ。
「Mちゃんとれいれいは、こぐま会からの仲良し」
「Kちゃんも、同じ1組で出席番号が近くで仲良し」
「Mちゃんママはノリが良くて面白いわ!」
「Kちゃんママもきれいで、とってもいい人!」
嫁は聞きもしないのに、色々な事前情報をインプットしてくれた。私がママたちから浮かないようにとの配慮だったと思う。そんな中、私の意識は「娘の通学」というより、「いかに現役CAさんと女優のお姉さんのマインドを掴むか!ということに注がれた。そして待望?の同伴出勤当日。嫁に言われた車両に、お友達とママたちが乗ってきた。娘たちは、3人でわいわいがやがや勝手にやっていた。私はつとめて平静を装いながら、ママたちと自己紹介をし、軽い質問の応酬を交わし、お互いを探りあった。それはさながら”電車内合コン!?”と言えなくもなかった。ママたち2人は明るく、とても感じのいい方だった。R社の社内には女性が多いが、年齢層は若い。だがママたちとは同世代の安心感があった。学生時代や就職時、共通の友達の話などで、話が噛み合った。電車を降り、駅から学校までの道中、ママたちとの会話を楽しんだあと、私は会社へと向かった。 翌朝の朝食時、嫁は私の前でれいれいに尋ねた。
「パパは電車の中でどうだった?」
「Mちゃんママと盛り上がってたよ。」
嫁が一瞬、嫌な顔をしたのを、私は見逃さなかった (つづく)
この記事へのコメントはありません。