【なにわ教育道】備えあっても憂いあり(本番前夜)
私は、れいれいの好き嫌いや、好きな本、好きな歌、好きなテレビ、などを徹底的にヒアリングした。それをまとめてプリントアウトし、会社の行きかえりの電車の中で、完璧に叩き込んだ。「自分の子供について」の質問は、父親が狙われる。答え方1つで、子供と接しているかを見抜かれるのである。準備したのは、これだけではなかった。「こぐま会」のS先生の教えのとおり、面接で聞かれそうな質問の答えを、家族のエピソードを織り交ぜて用意した。以下が、その10の質問である。
●小学校から私立に入れたいと思われる理由
●どのような家庭をめざし、どんな努力をしているか
●共学校ではなく、女子校を選んだ理由
●小学部6年間でどのような子供に育ってほしいか
●お子さんの長所と短所は?
●なぜこの学校を選んだのですか?
●家庭の中で父親の果たす役割についてどう考えるか
●父親として自己採点すると何点ですか?その理由も
●お子様との生活の中で嬉しかったことは何ですか
●小学校に期待されることはどんなことですか
問題を見る限り、どれも普通の質問のように思える。だが、質問の趣旨にあわせて、自分の家庭をPRしつつ、学校側に好印象を残すのは、意外に難易度が高い。あらかじめ「伝えるべき内容とエピソード」を用意しておかないと、まともな切り返しはできない。「お受験」で「母親」が頑張るのは、どこの家庭も同じ。勝負は「お父さんの頑張り」で決まるのである。面接の前日には、夏休みの絵日記や、家族のアルバムに目を通し、れいれいと気持ちを高めた。彼女は、そんな私に得意の折り紙で「小さなお守り」を作ってプレゼントしてくれた。
「パパもあしたの面接頑張ってね!」その優しい心が、涙が出るほど嬉しかった。だが、れいれいは、「私の面接が最大の不安要因。」と捉えていたようだった。
(つづく)
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