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【なにわ人生道】夜泣き事件

「父親」としての前向きな意識改革に取り組んでいたにもかかわらず、嫁の私への評価は著しく低かった。過去の数々の言動・態度による不信感が原因だった。おむつをとりかえなかったのは今でも非難されるし、子育て・学校選びも嫁まかせ。運動会でハッスルしたり、思い当たるふしはいくつもあった。中でも、嫁からの信頼を決定的に失った事件があった。それは長女の出産後の深夜に起こった。みーちゅーは、今でこそ聞き分けのいい良い子だが、生まれた当初は「夜泣き」が大変な赤ちゃんだった。「夜泣き」=新米ママにとって、最初のハードルである。20代の頃はギャルっぽく振舞っていれば、たいていのことは自分の思い通りになる。合コンではちやほやされ、誕生日にはプレゼントを貰い、食事もご馳走してもらい、自宅に車で送ってもらえる。まるで女王様のように大切に扱われる。だが結婚し、子供が生まれるとそうはいかない。ミルクを3時間おきに要求され、おむつが濡れると大泣き。「女王様」から一転、「奴隷」生活となる。
私は今でもあの事件を、昨日のことのように思い出す。ある夏の寝苦しい夜、激しい泣き声に目を覚ましたことがあった。気付くとそこには、必死に闘っている嫁の姿があった。しばらくあやし、そっと寝かしつけるとまた泣き出す。「夜泣きというのはこんな感じか。。。。」初めて見る光景に、私はようやく事態を理解した。
「毎日、本当に大変なのよ!あなたはいいわよね。いつもぐっすり寝られて!」嫁は憔悴しきった表情で、思い切り嫌味をぶつけてきた。微妙な空気を感じた私は、なにかフォローせねば!という思いで、言葉を探した。
「でもさあ。20歳になっても泣く赤ん坊はいないから。あと何ヶ月かの辛抱だよ。」私は最大級の暖かい言葉で、嫁を励ましたつもりだった。だがその瞬間、全く予期せぬ出来事が起こった。
「そんなことあなたに言われなくてもわかってるわよ。だれも解決策なんて聞きたくないわ(怒)。」
嫁はぶち切れ、涙ながらに訴えた。
「たしかに今は大変かもしれないけど、いつか泣き止むわけだし、大丈夫だよ。(汗)」
さらなる私の一言が火に油を注いだ。
「20年後じゃなくて、今大変なのよ!(泣)」
みーちゅーだけでなく、嫁の夜泣きも止まらなくなった。以来、私は「人の気持ちのわからない男」というレッテルを貼られたまま、今日に至っている。
                  (つづく)

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