【ハッスル運動会⑦】人事を固める
2006年夏。3回目の「運動会の準備会」。 総勢30名の「お父さんたち」が一同に介した。 例によって、司会以外の役割はたんたんと決まり、 結局、司会はまたまた自分がやることに。 そして、司会就任の挨拶とともに、
「今年のショートコントは、パラパラでいきます！ 小力役のお父さん、募集します！」とぶち上げた。 その瞬間、にやにやしていたお父さんたちは、一斉に私から目をそらせた。みなさん、自分に振られるのを 怖れたのは明らかだった。
「大丈夫。絶対に盛り上がります。小力のパラパラ DVDと衣装は私が自腹で用意します」
私は覚悟の程を伝えた。私の熱い？プレゼンが終わり、 打合せルームから、当日の会場の体育館まで移動することになった。私は、ある中肉中背のお父さん（Aさん）をすでにチェックしていた。移動途中、
「小力どうですか？やってみません？」
声をかけてみた。Aさんは、今年初参加の年少さんのパパで、自己紹介時に「何でもやります！」と言って いたのを、私は聞き逃してはいなかった。Aさんは、 一瞬戸惑った表情を浮かべたものの、
「実はこどもたちの前で小力やってるんですよ！」
思わぬ返事が返ってきた。「なんだ小力経験者じゃないですか！」 私は小さくガッツポーズしながら、
「よかった！では決まりですね。お願いします。」
一気にクロージングに入った。続いて新人の幼稚園の 先生にも声をかけた。
「お父さんたちも頑張るので、先生たちもぜひ」
お願いしたところ、3名の小力ガールズの捕獲に成功 した。こうして人事は固まった。運動会まで数週間。 パラパラを踊る小力と、小力ガールズの先生たち、そこに園長先生をどうからませるか？時間がない中、 シナリオ作りの難題が待ち受けていた。
（つづく）
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