【ハッスル運動会③】ハッスルプロジェクト発進
ミッション系の幼稚園の運動会で『ハッスルポーズ』。普通に考えたらありえない話である。ただ、司会のなり手がいない中、先生方や他のお父さんたちが、「救世主?」の私に寄せる期待は大きかった。「ハッスルでもなんでも、どうぞご自由に!」という追い風を感じた。だが家庭内の事情は違った。
「”ハッスル”で、園児を喜ばせて元気にする!」
という大義名分を掲げたものの、
「そんなのあなたがハッスルしたいだけでしょ!」
嫁には完全に見切られていた。
「ちゃんとした幼稚園なんだから、やめて!」
激しい逆風が吹き荒れた。
「誰にも迷惑かけるわけじゃないじゃん!!」
喉の奥までそんな言葉がでかかった。
だがそれを発したら、和田野家がイランイラク戦争なみの泥沼に陥るのは明らかだった。私は嵐が過ぎ去るのを無言でじっと堪え忍んだ。そんな中、水面下では決戦の準備を着々と進めていた。まずは「運動会の台本」に目を通し、「ハッスルポーズ」をどのタイミングで導入するかの検討に入った。台本の流れをみると、「開会式」と「閉会式」には、「お祈り」「賛美歌」「園長先生のお話」「牧師先生のお話」など、神聖なる儀式が盛り込まれていた。さすがの私も「この近辺での“ハッスルポーズ”は避けたほうがいいだろう。」というセンサーが働いた。本来の司会の役割は、台本通りに「競技の進行と説明」を、粛々と行うだけで良かった。だが「R社流」の仕切りでは、何のひねりも工夫もない進行は、「大ペナルティ」となる。「いかに事前にネタを仕込み、参加者を盛り上げるか」が問われるのである。私は気がついたら、幼稚園に代々伝わってきた?運動会の台本に赤を入れていた。進行を盛り上げるための、司会のせりふ、ツッコミなどを台本に書き加え、エクセルで打ち直し、まとめ上げた。そして、午前の部の終了後に『ハッスルタイム』を、午後のオープニング時には、園長先生を撒き込んだ『ショートコント』を台本に盛り込んだ。そして、手直しした台本を、メールで幼稚園にお送りした。担当の先生からは、私の仕事の速さに感謝をされ、ほぼノーチェックでOKが出てしまった💦
(つづく)
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