【なにわ営業道】酒と泪と男と女
私は、関西で、女性メンバーをマネジメントする際、心の葛藤を覚えた。自分の立場は、部下を育成し、売上数字に結びつけるのがミッションである。メンバーたちのモチベーションを上げ、たくさんの広告が集まれば、チームの業績アップにつながる。会社も売上が増えて、読者にもたくさんの情報が届くことになる。会社からも評価され、報酬も増え、さらなるモチベーション・アップにもつながる。だが恋愛、趣味、プライベートを犠牲にし、仕事にのめり込むほど、「オヤジ化」のスピードは加速する。これは、彼女たちの結婚へのハードルを上げ、少子化問題にもつながると思った。R社はよく「人材輩出企業」と呼ばれるが、このままでは、「オヤジ輩出企業」になってしまう。私は、女性メンバーたちの意識改革を試みた。一歩立ち止まって、自分自身を客観的に見つめ直すよう投げかけてみた。
①このまま「聖子型」で仕事に突っ走るのか?
②将来的には「百恵型」で家庭を作るのか?
結論から言うと、メンバー達の答えは、①は皆無で、②の「百恵型」であることが明らかになった。だが、その後も、改善の兆しは全く見られなかった。朝方まで仕事をし、そのあとお酒を飲む毎日に変化は見られなかった。「オヤジギャル」という言葉が、自分の胸中で虚しく響いた。そんなこんなで、関西で、悪戦苦闘する中、東京の嫁から突然、頼みごとを切り出された。
「れいちゃんの幼稚園の運動会委員をやってほしいの。みおちゃん(長女)の時にはやってないので、断れなかったの。」
「忙しいのにそんなの無理だよ!」
自分は声を荒げた。
(つづく)
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